うつ病の療養は家計にも厳しかった

がん治療の最新情報が好きな40代の男性です。20代の頃に数年間に渡ってうつの症状を発症しました。当時の社会情勢は今の好景気と人手不足という時代とはほぼ真逆で、就職先が選びも厳しいものがあり、その後も踏みとどまる努力が求められていました。真面目な性格だった私にとっては、そのような閉塞感がどうしても耐えられない連続に感じられてしまって、心を患ったのだと思います。今思えば、私が学生の頃、母もうつ傾向だったのではないかと思います。今日でもうつ病への理解がまだまだ十分でないのは、どうしてもさぼっているとかだらしがないという受け止め方をされることがあるためです。しかし苦しんでいる当人はわかってもらえないことに対していっそうの苦しみを感じることになります。私の場合は、休業や失業の手当てでしばらくの生活が何とか維持できていました。しかしその期間が過ぎると療養が必要なのに収入が途絶えてくるという厳しい状況になってきました。うつ病は病気ですが、医療保険の対象になることもありませんので、通院をすればするだけ出費も重なっていました。幸いというべきか、意志の指導のもとで、ストレスを感じる環境からは自分を切り離して気持ちの回復を図ったことで、数年で社会復帰が可能になりました。うつは内面のことだけに、周囲にも気づかれにくく、それでいて苦しんでいる方がいるので、ちょっとした気遣いを多くの方ができるようになれればいいと思います。